2015年11月13日

【ダブル選課題を追う】老朽化は水道管ではなく…ふし(府市)あわせ代表作「水道事業」 2015.11.13

【ダブル選課題を追う】老朽化は水道管ではなく…ふし(府市)あわせ代表作「水道事業」 
産経ニュースwest 2015.11.13 05:00更新
http://www.sankei.com/west/news/151113/wst1511130012-n1.html

 22日投開票の大阪府知事選、大阪市長選で目立った争点となっていない「重要案件」がある。8年前には大いに議論された府と市の水道事業だ。「府市(ふし)あわせ」の象徴ともいえる事業になった。

「二重行政の象徴」

 大阪市阿倍野区阪南町で9日早朝、水道管が突然破裂し、周辺の民家や店舗約30軒が浸水被害を受けた。破裂したのは昭和12年に敷設された水道管で、老朽化が原因だった。

 市内の水道管の総延長は5千キロ以上、このうち4割が40年以上経過した管だ。取り換え工事を順次進めているものの、予算が限られていることもあり、なかなか順調には進まない。

 そんな現状の打開策として、府と市の水道事業を統合して効率化する検討が本格化したのは、8年前のことだ。しかし、議論は破談となり、知事時代の橋下徹氏と大阪市長だった平松邦夫氏が決定的に決裂するきっかけにもなった。

 大阪北部を流れる淀川沿いに、計6カ所ある府(現大阪広域水道企業団)と大阪市の浄水場。なかでも守口市には大阪市の浄水場のすぐ北側に府の浄水場があるが、それぞれ別々に事業を行っており「二重行政の象徴」とされてきた。

 さらに「水余り」の実態がある。6カ所の浄水場の給水能力が1日当たり476万立方メートルなのに対し、近年の需要は約300万立方メートル弱。人口減少に加え、節水機器の普及などで、この先の水需要が増加に転じる可能性は低い。

 そこに目を付けたのが、平成20年に知事に就任した橋下氏だった。

構想を描いたものの…

 府市の水道事業を統合し、民営化による事務効率化も含めコストを削減。さらに施設売却や海外への浄水技術提供などで新たな財源を生み、水道料金の低減や設備更新のスピードアップにつなげる。そんな構想を描いた。

 橋下氏と大阪市長だった平松氏は21年9月、府の水道事業を市が指定管理者となって運営することでいったん合意。ところが、府と市の事務方の対立や、市が府域の水道の運営主導権を握ることに市町村から反発が相次ぎ、結局破談した。府の水道事業は、大阪市を除く府内42市町村が発足させた「大阪広域水道企業団」に引き継がれた。

 その後、府域一水道を目指す「大阪都構想」を掲げた橋下氏は23年、市長選にくら替え立候補して当選し、25年には市議会に念願の統合案を提案した。

 統合によって、比較的水道料金の高い府郡部はメリットが予想されるものの、安価な大阪市民には「かえって料金が高騰するのでは」との懸念が根強い。

 また、大阪市の水道事業は浄水から家庭への給水まで一体で歴史も古いのに対し、市町村の水道事業を支援するため昭和26年に通水を開始した府営水道(現企業団)は、浄水と各自治体への卸売りが主な業務で、家庭への給水は市町村が行っている。成り立ちや事業形態の違いを整理しきれていないと批判された。

本当に老朽化しているのは?

 統合案は、大阪維新以外の各党が反対し、橋下氏にとっては市長就任後、初の否決議案となった。

 その後、橋下氏は市の水道事業を単独で民営化することにシフト。ただこれも他会派の理解は得られず、市議会に2月に提案した条例改正案は翌月否決され、改革は頓挫したままだ。

 今回の大阪ダブル選では、維新、非維新陣営とも将来的な一本化の必要性は認めるものの、市水道局をまず民営化し、その余力を府全域で生かすべきだとする維新側に対し、自民推薦の2候補は「企業団の効率化をまず進めるべきだ」「現時点での一本化は無用の混乱を招く」と訴える。

 大阪市の水道事業は13日で通水開始から120年。府幹部は「老朽化しているのは水道管だけでなく、組織自体も同じ。時世にあった水道事業に変える時期にきている」と話す。課題は山積している。
posted by 結 at 17:08| 一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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